2010年8月21日、米ニューズウィーク(電子版)は、中国では名門校で学ぶ農村出身の学生が減少していると報じた。農村出身者が高等教育の中で周縁化されつつあるという。24日付で新華網が伝えた。

政府の統計では、09年の中国都市部と農村部の収入格差は3.33:1で、改革開放政策が始まった1978年以来最も大きい格差となっている。格差が拡大するにつれ、貧しい農村出身者は高等教育における周縁化が進んでおり、自分自身を高める機会そのものが失われつつある。

中国における最高学府とされる北京大学と清華大学は併せて3万人の学生を擁するが、そのほぼすべてが都市部出身者で、農村出身者はごくわずかでしかない。中国の総人口は半分が農民であるにもかかわらずだ。北京大学では1999年には16.3%、清華大学では2000年には17.6%を農村出身の学生が占めていたが、今ではどちらも1%程度でしかないと、北京大学のある教授は話す。

農村出身者は進学できたとしても、教育費が比較的安く済む専門学校や地方の知名度の低い大学が大半。中国は「世界の工場」からの脱却をはかろうとし、中産階級を中心とした先進国の仲間入りを目指しているが、農村と農民だけが取り残されつつあるという。(翻訳・編集/岡田)

レコードチャイナ 2010-08-27
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