今月9日、中国・広東省掲陽市の裁判所で、ある凶悪殺人事件の裁判が行われた。被告人は胡益華という者で、7月5日、掲陽市内で交通違反取締中の警察2人を射殺した罪である。

 傍聴に来た人々が驚いたのは、胡被告の「堂々とした」態度だ。彼は自らの犯行をあっさりと認めた上で、不敵な笑みを浮かべながら「おれには悔いはない」と胸を張った場面があまりに印象的だった。

 その様子が新聞報道で全国に伝わると、彼はたちまち、ネット上の人気者となった。「お前は好漢だ。良くやってくれた」「胡益華こそ、強権に立ち上がる当代の英雄だ」「人民の英雄万歳! 胡益華精神万歳!」などと、胡被告を英雄視するような書き込みがネットの掲示板をにぎわしたのである。

 同じころ、もう一人の凶悪犯罪容疑者にも注目が集まった。湖南省長沙市の東屯税務署分局を爆発させ職員4人を殺したとされる劉贅衡容疑者である。今月10日に逮捕された直後から、彼もネット上の「英雄」となった。劉容疑者が長沙市の「高官の娘」を次の犯行の標的にしていたことが警察の調べで分かると、彼の人気はよりいっそう高まったという。
>>>全文

産経新聞 2010.8.26
http://sankei.jp.msn.com/