2010年8月20日、シンガポール紙ザ・ストレーツ・タイムズは、「米国のメコン・プロジェクトが苦境に」と題した記事で、メコン川下流域諸国で勢力をのばす中国をなんとか牽制したい米国が、「資金難のため苦境を抱えている」と報じた。

クリントン米国務長官は昨年7月、「メコン川下流域イニシアチブ」を打ち出し、メコン下流諸国の環境分野などへの支援を推進する意向を示した。ベトナム、カンボジア、ラオス、タイの4か国と共同で同地域の保健医療、教育、インフラ、環境関連分野の改善・開発を目指す。このために米国政府は今年、約2億ドルもの予算を計上している。

米シンクタンクのヘンリー・スティムソンセンターによるメコン流域に関する最新レポートでは、これらの動きを「もちろん地縁政治を考慮してのもの」としている。

数百万人の飲み水であり、そこでの漁業が住民の生活のよりどころとなっているメコン川だが、その上流では中国による水力発電ダムの開発が急速に進んでおり、これを以って、メコン川を事実上“中国のもの”にしてしまっているという。これに一石を投じたいのが米国だ。実際、中国に脅威を抱く現地政府では、こうした米国の動きを歓迎するムードがある。前出のレポートでも、「米国は独力でメコン下流域国の新たな発展モデルを形成可能」「ASEAN諸国も日々強大化する中国に単独で立ち向かうことを望んでいない」と記述している。

しかし、こうしたプロジェクトが立ち行くには、米国にはさらなる資金が必要であり、現在のところ、それは2012年ごろまでめどが立たない状態である、と記事は指摘している。(翻訳・編集/愛玉)

レコードチィナ 2010-08-25
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