【北京=川越一】不動産バブルが続く中国の今年の財政収入が、8兆元(約105兆円)を超える見通しとなり、中国メディアは米国に次ぐ「世界2位」と報じている。一方で、中央政府に税収を吸い上げられている地方政府の債務は拡大しており、中国紙が“破産”による再建を求めるほど深刻化している。中央と地方の財政格差は著しい。

 中国メディアは27日、国税総局関係者の話として、今年1〜5月の財政収入が、前年同期比30%増の3兆5470億元(約46兆6800億円)だったと伝えた。年間総額は8兆元を超える計算で、62億元(約816億円)だった1950年から60年間で1千倍以上に膨れあがることになる。 中国財政省などの分析によると、長距離鉄道網の整備といった公共投資などで企業の業績が好転。バブルが続く不動産売買に絡む税収も増加した。酒やタバコなどの嗜(し)好(こう)品にかけられる消費税の増額、消費者物価指数や工業製品出荷価格の上昇も、税収増の一因となっている。

 一方、日本の会計検査院にあたる国家審計署が23日、全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会に行った報告で、地方政府の債務拡大の実態が初めて公にされた。
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産経新聞 2010.6.28
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