2010年5月29日、シンガポール華字紙・聯合早報は記事「フォックスコンの飛び降り自殺とホンダ・ストライキが明らかにしたこと=低すぎる珠江デルタの給与に募る労働者の不満」を掲載した。

報道によると、広東省仏山市にあるホンダ部品工場の労働者は月給を現行の1500元(約2万円)から2000〜2500元(約2万6600〜3万3300円)へと大きく引き上げることを要求している。フォックスコン(富士康)の連続飛び降り自殺は厳格すぎる工場規則やストレスが原因とも伝えられているが、根本的な問題は従業員の給与が安すぎるため一般的な生活が送れず、オフの時間も工場区画内で生活していたことが精神的に影響を与えたとの見方もある。

広東省では今年5月1日に最低賃金が改定されたばかり。仏山市は920元(約1万2200円)と指定された。しかし物価の急速な上昇に昇給が追いつかないと労働者の多くは不満をもっている。ほとんどの企業が最低賃金に残業手当など各種手当てを加算して給与としているだけに、労働者の不満解消のためにも再度の最低賃金改定を急ぐべきだと提案する専門家もいる。

英字紙チャイナ・デイリーは、中国のGDPに占める給与の比率が年々減少していると指摘。政府が新たな条例を作り、給与を引き上げる必要があると指摘した。中国人力資源・社会保障部は給与条例の起草に取り組んでいるが、企業の反対により難航している。「もし当局がただちに行動を起こさなければ、雇用主と労働者の対立はますます悪化することになる」と同紙は警告した。(翻訳・編集/KT)

レコードチャイナ 2010-05-30
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