【上海=河崎真澄】中国は2008年開催の「北京五輪」に続く国威発揚の場となる「上海万博」に、最終的に189カ国と57の国際機関という史上最大の出展者数を集めた。新車販売台数で昨年、米国を一気に追い抜いて世界一となるなど、強烈な消費パワーが世界を引き寄せた格好だ。万博景気への期待感も強く、会期中の直接的な経済効果だけで1264億元(約1兆7千億円)との試算がある。12年11月に事実上、任期切れを迎える胡錦濤指導部にとっても、“仕上げ”の国家的イベントになりそうだ。

 246の出展者数は、過去最大だった00年の独ハノーバー万博の170を大きく上回る。今年1〜3月期に実質経済成長率で前年同期比11・9%を記録した中国が、成長性を武器にブラックホールのような吸引力をみせつけた。

 5月1日から10月31日まで開かれる上海万博は、公式推計で史上最大の7千万人の来場者が見込まれ、実際には1億人を超えるとの予測もある。期間中の経済効果として、上海財経大学の陳信康教授は、産業面で795億元、消費面で469億元の直接的効果が表れるとの試算を発表した。地元の証券会社は来場者による消費総額を日本円換算で最大2兆円とみている。
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産経新聞 2010.4.30
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