2010年2月24日、これまで中国経済の発展を牽引してきた長江デルタや珠江デルタで深刻な労働力不足が発生している。安くて豊富な労働力である地方からの出稼ぎ農民(農民工)は一体どこへ行ってしまったのか?米紙ウォールストリート・ジャーナルが伝えた。

中国の地方メディアの多くが、最近連続して労働力不足問題について報道している。旧正月連休後、広東省だけでも100万人分以上の労働力が不足していると言われ、一部の建設現場では賃金を30%値上げしたにもかかわらず人が足りないという。では、農民工はどこへ行ってしまったのか?

同紙はまず、労働力の構造上の問題として、二極化が出現してきたことを指摘する。高い技術レベルを持つ労働者が不足するのと同時に、一方で若い世代の農民工の多くは建築現場など過酷な労働条件の下では働きたくないと考えているという。

続いて、農業税の取り消しなど政府の農業支援策によって農業従事者の収入が上昇してきたことを挙げる。一部の地域では農業による収入が都会で働いて得られる収入よりも多くなっている。また、国有企業が農民から土地を借り上げて農業の近代化を進める政策を中国政府が認めたため、一部の農民は土地の賃貸料で生活ができるようになり、都会へ働きに出る必要がなくなった。

そして、経済発展が地方都市にまで及び、地元に近い都市で十分な働き口が見つけられるようになったことも挙げられる。賃金も大都市とそれほど大きな差がないため、長江デルタや珠江デルタに働きに出る魅力がなくなったと説明する。

また、若い世代の価値観や世界観も一昔前の農民工とは異なって来ており、都会へ出て苦しい生活をしたいと思わなくなっている影響も大きいと指摘している。

こうした状況から、同紙は「中国は今後10〜20年間は労働力不足の問題に直面しなければならず、一人っ子政策も状況の深刻さに拍車をかけている。労働力不足はすでに、中国政府が解決しなければならない大きな苦境になっている」と結んでいる。(翻訳・編集/HA)

レコードチャイナ 2010-02-27
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