バンクーバー五輪の開幕を間近に控えた11日夜(中国時間)、中国中央テレビ(CCTV)のスポーツチャンネルを見ていたときのことだ。ニュース番組が始まり、当然、五輪特集をやるものとばかり思っていたら、肩すかしをくらった。番組の冒頭から延々と伝えられたのは、2014年ユース夏季五輪の開催地に、江蘇省の省都、南京市が選ばれた、というニュースだった。

 ユース五輪は14〜18歳を対象とする総合体育大会である。常々、「若い世代をスポーツに導き、五輪の価値を教える取り組みが必要だ」と語ってきた国際オリンピック委員会(IOC)のジャック・ロゲ会長が提案し、07年のIOC総会で新設が決まった。今年8月に、シンガポールで第1回大会が開かれる予定になっている。

 ◆スポーツ強国への布石

 「競技と並行してフェアプレーや反ドーピングの精神を学ばせる」との理念を掲げるものの、五輪の経費削減が叫ばれる折、IOCは大会規模の縮小を迫られた。参加選手数は夏季で五輪の約3分の1、約3500人、冬季は1千人程度に抑えられる見通しだ。教育を重視する大会の性格上、大会を財政面で支えるスポンサーの獲得も困難が予想される。
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産経新聞 2010.2.28
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