【北京=高橋哲史】中国のマクロ経済政策を統括する国家発展改革委員会は30日の記者会見で、生産能力の過剰が深刻な石炭化学産業について、生産設備の増強を3年間は認めない方針を明らかにした。景気の回復傾向が鮮明な中国では過剰生産が大きなリスク要因に浮上しており、政府は無駄な設備投資の抑制に本腰を入れる。

 対象となるのはコークスやカーバイド、メチルアルコールなど石炭化学製品の生産設備。今後3年間は「新工場の建設や生産能力の単純な拡大を認めない」とした。

 コークスの生産設備の稼働率は2008年に80%程度と比較的高かったが、09年には約3000万トン分の生産設備が増えた。カーバイドは700万トン、メチルアルコールは860万トン分の生産設備が建設中で、発展改革委は「これらがすべて完成すれば生産能力の過剰問題は一段と深刻になる」としている。

NIKKEI NET 2009年12月30日
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