中国江蘇省の南京市で南京大虐殺記念館の大幅拡張に続き、抗日戦で戦死したパイロットらをまつる「南京抗日航空烈士記念館」が新たに開館した。1937年に始まった日中戦争で中国共産党と中国国民党が共闘した「第2次国共合作」を意識し、蒋介石が率いた国民党軍の兵士の犠牲を悼む展示が目立つ。中台急接近を反映してか、国民党の党章や中華民国時代の国旗も資料として展示するなど、抗日における国民党の“功績”を評価する異例の記念館になっている。(南京 河崎真澄)

 記念館は江蘇省と南京市が内外から寄付を集め、総工費4千万元(約5億2千万円)をかけて今年9月に開館した。孫文の墓地「中山陵」がある市内の紫金山の北側で、約4千平方メートルの敷地に4つの展示室と野外展示施設をもつ。航空烈士共同墓地と合わせて「国際抗日航空烈士公園」と名付けている。

 49年の新中国成立以前の中華民国時代に起きた日中戦争時の「空の犠牲者」をまつる中で、国民党兵の戦死者を多数展示している。野外展示には、中国に飛来した日本軍機を初撃墜したという中国空軍駆逐司令との肩書の高志航の銅像が建てられているが、銅像の軍服や帽子には国民党章の「青天白日」がくっきり刻まれていた。
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産経新聞 2009.12.30
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