【上海=尾崎実】来年5月に開幕する上海国際博覧会(上海万博)で、中国当局は開催期間中の二酸化炭素(CO2)の排出量を抑える計画を打ち出す。来場者に資金を募って排出量取引への参加を促すとともに、エコカーを大量投入。万博の運営で生じるCO2を排出枠の購入などで相殺し、排出量を計算上ゼロにする方針だ。エネルギーの大量消費が懸念される中国は、万博を通じて温暖化ガス削減に取り組む姿勢を訴える。

 万博では環境問題への対応が柱の一つになる。万博事務協調局は開催中に900万トンのCO2が発生すると予想。これに関して会場内の移動に使う電気自動車や燃料電池車などのエコカー1000台を導入して150万トンのCO2を削減する計画だ。残りの750万トンは排出量取引への参加で減らし「ゼロ排出」の実現を目指す。

日経ネット 2009年10月31日
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