24歳のTrinley Dorje(ウゲン・ティンレー・ドルジェ)氏はゲーマーだが、チベット仏教の4つの宗派の1つであるカギュ派の最高位活仏カルマパでもある。

Dorje氏は、悪い感情を処理するための一種の「精神療法」としてビデオゲームをしている、と『The Times of India』紙に語っている。

「ビデオゲームをしていると攻撃的になり、悪い感情を表現したいという欲求がすべて満たされる。誰かの頭を殴らなくてもそうした欲求が満たされるので、私にとっては実にいい方法だ」[リンク先によると、iPodでヒップホップも聞くという]

若くして最高位カルマパを務めるDorje氏には、処理すべき差し迫った問題がたくさんある。Dorje氏は現在、亡命生活を送っている。14歳のときにネパール経由でインドに向かったのだ。

Dorje氏は、祖国であるチベット自治区と亡命先のインド、そして中国政府にカルマパとして認定された人物だが、カルマパに選ばれた経緯が問題視され、カギュ派序列第2位の長老僧シャマル・リンポチェ氏(Shamarpa)にはカルマパと認められていない。

[カルマパ17世(ウゲン・ティンレー・ドルジェ氏)は1985年生まれ。中華人民共和国国務院国家宗教情報局ならびにダライ・ラマ14世によって、1981年に入寂したカルマパ16世の転生者として認定され、1992年からカルマパ17世となった。ただし、シャマル・リンポチェは、ダライ・ラマ14世等による認定を支持せず、別の候補者であったティンエー・タエ・ドルジェこそが真のカルマパの転生者であると主張。ティンエー・タエ・ドルジェは現在、カルマパ17世を名乗って欧米で独自の宗教活動を広げている。

チベット仏教では、ダライ・ラマ14世、パンチェン・ラマ11世に続く、序列第3位。2000年にチベット自治区からインドに亡命した。なお、ダライ・ラマ14世に認定されたパンチェン・ラマ11世は、幼少時(1995年)に中国政府に連行され行方不明となり、中国政府によって認定された別の人物がパンチェン・ラマとして即位している]


WIRED NEWS 原文(English) 2009年9月23日
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