林妙可さんが歌ったように聞こえたのは、革命歌曲の「祖国を歌う」だった(ロイター) 「風にはためく五星紅旗(国旗)、勝利の歌声はこんなにも響き渡る。わたしたちの愛する祖国を歌いたたえ、繁栄と富強に向かって進み出す…。広々と美しい大地は私たちの愛する故郷だ。人民の英雄が立ち上がった! われわれの団結と友愛は鋼のごとく堅固だ。繁栄と富強に向かって進もう」

北京五輪の開会式で少女の林妙可さんが口パクで歌った『祖国を歌う』の一節だ。実際に歌っていたのは別の少女だったことで有名になった。

重慶市のトップ、薄煕来共産党委員会書記=党政治局員=(59)が音頭をとり、昨年夏頃からこの歌を含む27の革命歌曲を「愛国主義教育歌曲」として選び、青少年らに歌うよう勧めた。薄書記は、●(=登におおざと)小平時代の有力な長老だった故薄一波元副首相の子息。大連市長、遼寧省長を経て2004年に商務相に就任し、昨年12月に重慶市書記に転じた。

政治局員でもある市のトップがなぜ、革命歌を選んで広めようとしたのか。その理由は「中華民族の伝統と美徳を広め、愛国感情を伝え、人々に分限の力量を与える」ためであり、「われわれの事業(五輪)の勝利に向かって前進」する活力を与えることにあるという。27曲のうち「抗日軍政大学校歌」など6曲が抗日関係だ。

>>>続く

産経新聞 2009年4月25日
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090425/chn0904251300000-n1.htm