仏教における悟り、悟りに至るための道、自我とは何か、愛と慈悲の大切さなどの知識が説かれた。
苦しみは自分自身が作り出したもの。その原因は無知、怒り、執着などの煩悩による。このことが自分と他者に区別、境界を作る。それは自分さえよければいいという利己心を生み出す。それは自分自身に戻ってくる。免疫機能を弱め、それは健康を損ねる。脳細胞の変化は心にも影響を与える。
宗教的な人もそうでない人も、まずは内面の平和を高めることが大切である。そうでなければ他者の平和を願うこともできない。宗教的にも世俗的にも愛と慈悲を育むことは大切である。
など現代人にとってもとても大切な講話であった。最後に参加者からの「自分を好きになるには?といいう質問に対して、問題があるときにだけ自分をが好きでなくなる。いつもそうであるわけではない。自分が幸せになれるようにもっていくこと。幸せになれないときそのことだけ考えるのではなく、周りを見渡すこと。問題があるときは勇気を持つこと、大変だと思わないこと、よくなるためのいい機会ができた、克服できると思うことです、といった趣旨のアドバイスが法王によりなされた。
ダライラマ法王の存在感は、話されている知識以上に聴衆に愛と慈悲の感覚をもたらしたのではないか。
ニュースチベット文化圏 2009年10月31日